Average Joeブログ

個人的な日記を毎日更新ニキ

今日 49 (2019/07/17)

男子トイレに入り、小便器でおしっこを始めるなり、A太郎は、「は〜〜〜!」と大きなため息を吐いた。

その瞬間、背後のドアの閉まった個室トイレから「どうした青年よ!そんな大きなため息をして!」と声が聞こえた。ような気がした。

途切れたばかりのおしっこを早めに切り上げ、ちんちんを早めにズボンに閉まって、案の定ズボンの内側がおしっこで濡れた。そんなことをしているから、ズボンがいつもすぐに臭くなるのだった。おまけにA太郎は汗かきだった。汗かきの上に、アトピー性皮膚炎を患っていた。ズボンをおしっこで濡らして、A太郎は「どうだ」とすら思っていた。職場の連中にどう思われるかなんて、本当はどうでもよかった。とか豪胆に考えたいところだったが、A太郎は雑な性格の割に人の目をいっちょまえに気にするのだった。

その声は、A太郎が契約社員として所属している会社の親会社で大企業のZ会社の、なんだかでけえサービス部長をしているWさんの声と姿で、A太郎の頭に響いた。そんな自分に声をかけてくれるランプの精みたいな存在を期待しているのだろうか。

そんなことを自分のデスクに戻る途中に考えていたが、次の瞬間には、昼休みに聴いていたKendrick LamarのSection.80でのラップが響いてた。響いていたというよりも、このアルバムは昨日聴き始めたところだったので、思い出すというレベルには行っておらず、あれ、本当いいよなあくらいの感覚で思い出していたのだった。A太郎はヒップホップをこよなく愛し聴いていた。