今日 1073 (2022/5/3)
夕方、東京駅の本屋に向かい電車に乗る。端っこの座席に座れた。
向かいのカップルが、お互いの肩に頭を預けている。俺は端っこに座っていたから、仕切りに頭を預けて目を閉じた。端に座れた時くらい、寄りかかってもいいじゃない(茨木のり子よりサンプリング)。
本屋、ずっと気になっていたガルシア・マルケスの『百年の孤独』を買う。
孤独気取っている自分には、うってつけだと思う。本当に久しぶりに「文学作品」を買って、緊張した。今日買うのは技術書じゃない。思えば、学生時代はこういうものを専門にして、それを生業にしたかった。そして相変わらず本をたくさん買っていた。この分野で仕事の口なんてわずかしかないのに。飛んだギャンブルだったな。それでも、それが普通だった。父もそうだったし、大学院にいたら周りも似たもの同士ばかり、それがごく普通だった。外に出て、全く専門と関係ない仕事をし始めて、仕事やスキルのための本を買い始めて、当時の自分がいかに異質だったか、しみじみわかってくる。それでもそれなりに必死だった。今だってそう。
あと、エーリッヒ・フロムの『愛するということ』の英語版を買う。日本語版よりこっちの方が安かったし、英語で読んでみたかったから英語で買った。外国語で書かれた本を読めるようになったのが、大学で得た唯一のスキルと言っていい。
愛の技術を得るには訓練が必要で、規則的な生活が必要みたいなことが後半に書かれているらしい。愛することができるかどうかはひとまずおいておいて、この規則的な生活を送りたいから、その刺激を受けるために読んでみる。丸善でメンタルヘルスの本棚で一番売れていると掲げられていた。みんな「愛」について知りたいのだな。俺もそう。