今日 32 (2019/06/30)
自分のかけるラジオは味気ないけど、人のかけるラジオはなんだか心地よい
大森の映画館に行ったら片桐はいりさんがいて、映画館の店の人の格好をして、ほかの人と同じように働かれていた。
びっくりした。かっこよかったなあ。あまりに普通に働いていて、ほかの人も特別な反応をしていないのを見ると、大森ではこれは普通なのだろうか?
僕はミーハーだし、片桐はいりさんが好きだったあので一緒に写真を撮ってもらいたいなと思ったが、はいりさん忙しそうだし、僕は梅雨の外から来たばかりで、湿気なのか汗なのかわからない感じでびっちょり濡れていて、声をかけてほかの店の人に制止されたら「一本」(後述、しないかもしれない)ものだったんで、声をかける勇気なく、会釈をしたにとどまった。
汗が乾くのと劇場が開くのをベンチに座って待つ間も、片桐はいりさんはせわしなく働いていて、ちりとりとほうきを持ち出したり自分の前を通られて、とても不思議な感じだった。ミーハーが過ぎるだろうか。
片桐はいりさんにチケットをもぎってもらってみた映画はまあまあ退屈で、いつ終わるんだろうと思う映画だった。
劇場は名画座、今日の上映案内には『マニアック・コップ/地獄のマッド・コップ』とあったので、短めの2本だてなんだろうかなと思って観ていたら妙に長くて、2本目見たら今日19時からのコンサドーレの試合に間に合わないんじゃないの?と焦り始め、とはいえ2本目見ないと損だなとも思うケチな気持ちもせめぎあっていた。マニアック・コップはだいたい90分くらいで終わっただろうか、観客は退出していくので、あれれ〜2本目見ないんですか?もしくは一旦退席するシステムですか〜と思ってチケットを見たら、ああそうですか、「地獄のマッド・コップ」は副題だったんですねとようやく気付いた。ホッともした。
映画、向いてないかもな。どんな映画も見たいという情熱がないらしい。家でアマゾンプライムで見ようとしても大抵の映画は冒頭の1分くらいで飽きてしまって、それが今日映画館でも同じような感じてしまった。
「映画好き」みたいな男性が多かったな。後ろに座った男性2人組は、
「今日2本目のアレも見ますか?」
「もちろん」
「ナイス」
(この時点で、自分は「そりゃ2本目も見ますよね」と思い、勘違いを続けていた)
「そういえばさア、俺の友達でさア、めちゃくちゃ映画好きがいてよオ、年間2000本見てるらしいんだけど」
「ええ?そんなことできます〜?」
「うん、わけわかんないんだけど、たしかにそうらしくて、話聞けば、一応スジは通ってるんだよね」
「へえ」
「でさあ、そいつがさア、去年『カメラを止めるな』を見てさあ…ああそういえばそれに俺の元カノ出てるんだよね(笑)」
「ええ〜??そ、そうなんですか〜、へ、へえ」
「まあ、さ、それはどうでもいいんだけどさ、チョイ役だしさ…ごめんね、なんか余計なこと言っちゃって…」
「いえ、別に…あの…まあ…」
って話してたけど、『地獄のマッド・コップ』が始まる前にこの人、絶対元カノの話を自慢したかったよね。
第三者からしたら、いったい「どの人が元カノなのかちゃんと聞いてよ!」と思ったけど、よくよく考えれば赤の他人なのでどうでもよかった。