Average Joeブログ

個人的な日記を毎日更新ニキ

浅野琢磨選手のように上を向く

2018年12月10日(月)

ノープレッシャーで何かを書き始めることにする。どうせ誰もみないんだから。

地獄のような翻訳会社勤務から6月に退職して、10月に中途採用で新しい会社に入り、ずいぶん働き方が変わって定時で帰れるのが普通になり、生活が落ち着いた。

それでも職場では急に理不尽に見舞われることがあって、そういうことに日々負けないために何かを作って前向きなことで昇華したくて、もう何年もずっとうずうずしてきた。もともと美術部で絵を描いてきたり、大学院では愚にもつかない論文を書いたりしてきたから。学生時代にはビートを作れるかなと思ってMPCやSP404などのサンプラーを買ってみたが全くうまくいかず、というかまだうまくいくいかないの次元ではなくて使わずに今日に至っており、いまや本棚の一応目立つところには置いているが、インテリアにすらなっていない。自分にできることといえば、唯一文章を書くことかなと思った。

理不尽を感じた時、職場の人の態度で気持ちが乱されそうになった時、おい込まれそうになった時、自分は浅野琢磨選手の試合後のインタビューを思い出して、上を向くことにしている。

それは2018年ロシアW杯アジア最終予選の初戦だったか、日本が負けちゃって試合後に浅野選手がピッチ横でインタビューを受ける場面だった。浅野選手は試合に出てはいたもののゴールを決めることはできず、試合では日本は負けた。誰もが悔しく気持が落ちていたはずだが、そのインタビューでは浅野選手のアゴが上を向いていて、表情にはうっすらと笑みさえ浮かんでいて、次の試合で結果を出すことを語っていた。試合後にその映像を見た自分は「悠長なこといってんじゃねえよ」と言葉には出さないが思ったはずで、自分も試合の結果に落ち込んでいた一人だった。短絡的なネット住民の反応をしたのだった。

でもその後ツイッターを惰性でみていて、サッカー日本代表関連では有名なアカウントのUGさんのツイートで「こういう時に上を向いている選手は次の試合で結果を出す」とあって僕はハッとした。考えを改めたのだった。

それ以来、辛くなったら実際にアゴを上げてみることにしている。いまの会社では、前の会社よりも関係する人が増えて、人間関係の気にし方が変わって、人が多いということはすれ違いやいさかいが生まれる場面もまあ増えるということのようで、いくら働きやすくなったといっても周囲の人の言動でキズついちゃったりするんで、そういう時はトイレに立って、誰もいないトイレの鏡の前で実際にアゴを上げて、胸を張ったりする。その姿勢をキープしたまま周りに中指を立てる勢いで自分の席まで堂々と歩いて戻る。

以前、大学院にいたころは、何か研究などで指導を受けるともれなく人格を否定してくるような先生がいて、経験のない自分はそういう先生に対して「すぐに謝る」という方法を取っていたが、これはのちのち大事件を生むことになった。もうその時の細かい経緯は忘れたし、つまらねえので、たぶんここには書かないんだけど。

そういう経験とか、浅野選手のインタビュー映像を経て、まあ年をとってそれなりに図々しくなったのか、今は簡単には謝らなくなった。「本当に自分が悪いのか?」と頭で整理をして、自分にはっきりとした非がある場合は謝ることにしている。

「東京」をテーマにした曲を作るアーティストは多いが、地方出身の自分が東京で働いて暮らし始めてその気持ちはわかる。東京では、誰もが一人だ。東京以外でも人間は一人かもしれないが、東京でのドライな一人は独特なものがあると思う。なんでも東京が特別感を持っているのは気に入らないが、これは少なくとも今じぶんが思うことだ。東京で、一人で時に座り込みそうになることがあるから、実際に顔を上に向けて、なんとか自分で自分を東京の上で支えている。