Average Joeブログ

個人的な日記を毎日更新ニキ

もしも子どもができたら「転職活動は退職前にしておけよ」と言おう

仕事をやめて転職活動を開始して、「ああ退職する前に本格的に始めておけばよかったな」としみじみ感じている。

 

仕事をやめるにあたっていろんな人に相談をしてきたつもりで、それぞれそれとなく「辞める前に探しておいたほうがいいよ」と言われてきたけど、これほど重要なこととは思わなかった。

退職日には職場の人前でいろいろ質問されたが、「次の働き口はもう決まってるんですか?」という質問をされて「いやまだなんです」と答えると空気が微妙になったのを思い出す。今思えば「ああこいつこれから苦労するんだろうな・・・」という沈黙だったんだろう。

僕は次の仕事について聞かれるのがすごく嫌だった。

 

退職日、この質問の他に「フィアンセとはどうするんだ?」という質問をおっさん社長にされた。「はあ、なにも決まってないです」と答えた。フィアンセというのは、採用面接のときに「彼女はいるのか?結婚を前提にしているのか?」と聞かれ「はい、います」と答えて以来、何故か「フィアンセがいる」ということになってしまい、飲み会の場などで何かにつけて人前でバラされてきた。フィアンセという響きがこれで嫌いになった。

ちなみに職場では「アベック」という言葉も平然と使われていたが、信じられない感覚だった。

「フィアンセ」の発言のほうはきっとセクハラなんだろうなと思う。もっと毅然とした態度を取っても良かったのだろう。お人好しが過ぎた。

 

ネットを見ていると、自然と気にするものに反応してしまう。

YouTubeで「転職先を見つける前に仕事をやめてはいけない」というタイトルの動画を昨日目にして、嫌だなと思った。サムネイルには人事部で働いてきたという男性が表情の乏しい顔で映っていた。

今日も同じ動画がYouTubeのおすすめで上がってきて「あえてみてやろうか」という気になってさっき再生してしまった。

 

「僕は再三言ってきましたけどね」

「転職活動は退職前に必ず済ませておきましょう」

「いいですか、仕事は嫌だったらいつでも辞めてもいいです」

「でも必ず退職前に転職先を決めておかないと、必ず後悔しますよ」

「いいですか、離職時期が長引けば長引くほどあなたの転職確率は下がります」

「焦って飛びつける職はキャリアダウンかいわゆるブラックばかりですよ(半笑い)」

「もし転職先を決めずに辞めて苦しんでも、

 あ な た の 決 断 自 己 責 任 で す か ら ね」

 

・・・ワッタッファック!!!(爆発音)

 

いま、自分がどれほど身をもって学んでいることか。言われたくないことをたくさん言われてしまった。低評価ボタンを押して、もうこのアップローダーが自分のYouTube上に表示されないよう、震える指で操作した。

でもこれははっきりと認めなければいけなかった事実だった。ずっと気にしていたから、見たくなかったのだ。残念だけどそれが現実なんだ。

 

動画を見てしまってから、近所の神社にお参りに行くことにした。道すがら、いまは亡き父親を思って「父さん助けてください」と少し父頼みした。

 

神社でお参りを済ませ、家に帰るとき、夕暮れ時を歩きながら思い出していて、自分には在職中に転職活動をするのは無理だったな、ということを考える。

辞めた仕事は27歳で大学院を出て初めて就職した会社だった。研究を続けるかどうかギリギリまで悩み抜いて、大学院修了と同時に結局働き始める道を選んで、去年4月に面接1回で採用された中小企業だった。研究を諦めたことに後悔はない。

この仕事は自分にとってとてもハードだったので、とても転職活動ができるような状態にはなかった。精神的に追い込まれており、オフィスを抜け出して「いっそ倒れてしまいたい」と階段のスレスレのところで横になったことがなんどもあった。どうしたら辞められるかしか考えられなかった。自分にとってはあれは限界状態だったんだ。

2月に退職を申し出てから退職日が決まるまで時間がかかった。5月に後任が決まってからようやく退職日が6月と決定した。

業務に関する質問でも答えが返ってこないことが多かったような職場だったから、せめて去りゆく自分だけは丁寧に引き継ぎをしようとしようと考えた。いま思えばこれも大変なお人好しだった。

でもようやく出口が見えて、少しホッとしたのを思い出す。

 

そう考えると、今の状態は決していいものではないが、でも1年前は、研究を続けるか、就職をするかの一か八かの選択をしていたもっとヤバい状況だった。

それに比べたら、翻訳業界でたった一年ではあるが職歴をつけることができた。今の状況はけっこうヤバいが、1年前はもっとヤバかったのだ。ヤバいことはあまり変わっておらず、もう開き直っていいのかもしれない。

 

自分にとって無理だったこと、過去のことを後悔してもしょうがない。

もし自分の子供ができたときは「転職活動は退職前にしておけよ」とアドバイスができる親父になればいい。(あと高校に入ったら「理系を選びなさい」と言いたい)

日々転職情報をみて、できるところから応募していくしかない。それがダメだったら他の道を探すしかない。終身雇用やボーナスなんてハナから自分には縁のないものだと思っている。無職の生活からゲットアウトするために、できることはなんでもやってやる。ECDさんと植本一子さんのエッセイ『ホームシック』(昨日買った)を読んだり、たまに文章を書いて、なんとか前向きになるしかない。

 

急にポジティブ、ヤケクソだし。

あと僕のフィアンセの人、こんな僕を今でも見捨てずにいてくれていつも本当にありがとう。本当にありがとう。